研究組織

A03 行動決定モデル推定研究グループ

対話参入時の他者への配慮を伴ったロボットの行動デザイン

研究代表者
竹内 勇剛(静岡大学 総合科学技術大学院)
専門分野:認知科学
研究役割分担:内部モデルの構築、計算機シミュレーション、実験の実施の統括

ロボットや対話エージェントなど知的システムが人と社会的に共生することを目指すのであれば、ロボットも人同士の場合と同様に相手の内部状態を連続的に推定し、それに基づいて相手への配慮を伴う行動と対話ができるようにすべきである。ところがこれまで取り組まれてきた多くの研究は、相手の内部状態を推定に基づいた行動生成をするのではなく、動作パターンとして定性的な分析のもとで設計された表現形式に基づいた行動を選択するに留まっていた。一方、応募者はこれまで、社会的スキルとして人への配慮を伴う行動生成に、相手に対して行為を遂行する欲求 (Control) と相手による行為を受容する欲求 (Acceptance) から導かれる認知モデル(CAモデル)を通して、他者の内部状態を計算論的に推定する方法を検討してきた。そこで本研究課題では、この方法を発展させ、「他者への譲歩・妥協」や「相手を慮る」といった高度な社会的スキルを伴うロボットによる対人インタラクションを実現することを目指し、同時に人とロボットとが互いに信頼関係を形成できるようになるための空間的構造および時間的構造の定量的な解明に取り組む。