研究組織

A03 行動決定モデル推定研究グループ

あえて非論理的な発話を行うことによる対話継続の試み

研究代表者
松井 哲也(成蹊大学理工学部)
専門分野:ヒューマンエージェントインタラクション
研究役割分担:ユーザの対話継続意思の促進に対する非論理的な発話効果の検証、非論理的な発話の自動生成システムの構築
研究目的

本研究では、ロボットやバーチャルエージェントなどの対話システムの発話の「非論理性」に着目し、エージェントの非論理的発話がエージェントとユーザの間に外部の文脈を呼び込むことによって両者の関係性を変化させ、継続的な対話が実現されるという仮説を実験的に検証する。このような、外部の文脈を呼び込むような構造を持つ非論理的発話を「意味深な発話」と定義し、その構造を分析する。これによって、対話知能とユーザの継続的なインタラクションを紡ぎ出すとともに、ユーザのエージェントに対する親密性・信頼性に対する影響度をエージェントの外見の特性と対応付ける形で明らかにする。

研究方法

本研究では、「エージェントの非論理的な発話が、外部の媒介項を呼び込むことでユーザの対話の継続意思を引き出す」という仮説を実験的に検証し、そのような効果を持つ非論理的発話の構造を解明する。仮説では、発話自体が非論理的であったとしても、発話内容の外部にある媒介項が参与することによって理解可能なものとなる場合にのみ、ユーザとエージェントの間に外部の文脈が差し込まれ、このような効果が得られると想定される。このような発話をロボットやバーチャルエージェントに実装し、その効果を検証する。

また、そのような効果をもたらす非論理的な発話を自動生成するためのモデルを、ラフ集合誘導束をベースとして構築・検証する。